夏の青空の下に「神様いそうだな」って

 

初めてそらるさんのライブに行った。

 

本当に良いものを見ると、みんなもこれを知ってはやく大丈夫になってほしい!と思う。伝わってほしいという気持ちが強く強くなっていく。

本当は、大丈夫にする力じゃなくて守る力が欲しい。なんか本当にみんな抱えすぎだと思う。抱えてることが悪いんじゃなくて、そうさせてる世界が許せねーよ。世界、変えたいなーでもわたしにはそんな力が無いからと諦めてみたり、いろいろ考えて行き着いた結論結局自分は「何もできない」という無力を自覚して部屋の壁にもたれ掛かっててボーッと泣いたりした。でも全部受け入れていくしかないのか、と思えるくらいには大人になった。でも無条件に心が動かされる良いものを見ると、受け入れという皮を被せて黙らせておいた諦めが起き上がってなんとかしたい!だろ!!!って叩き起こしてくる。

ライブから帰ってきてから、みんながそらるさんの歌を聴いて、そらるさんという人に触れて、はやく大丈夫になってほしい!!!!という思いが強く強くなっている。

 

全部抽象的な話になってしまってると思うし、正直もうライブの記憶は光に包まれすぎて見えないので、とにかくライブ中に思ったこと、終わってから今日まで考えたことを書きました。とにかくライブに行ってよかったということです。前置きが長いですが難しい話をしたいわけではなく、本来はもっと単純なことを簡潔に言うという能力が欠如しているので大変読みにくいと思いますが、ただそのまま受け取ってほしいです。

 

 

15周年を迎えたそらるさんのライブ、クリスタリアルスカイ -ORCHESTRA-   すごく、良かったです。

本当に良くて、わたしなんかの言葉を添えるのは余計でしかなく(でも書きます)、本当に誰が見ても絶対に良いライブでした。だから全員見てほしいです。

15年歌い続けた人のライブです。しかもオーケストラです...贅沢を全瞬間から感じて本当に貴重な経験でした。

 

 

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ライブの日が近づいてきた頃、自分にとってそらるさんはどういう存在なのだろう。自分はそらるさんをどういう人だと思っているのだろう。と、ふと考えた。いざ会いに行くと決まって、たぶんそらるさんをどんな気持ちで見たらいいのかちょっと分からなくて不安だったのだと思う。

自分が抱いた違和感やわからないこと、曖昧なことは何かと根拠や理由を付けて納得したくて、毎日そのための資材を探しているような日々に生きている。わからないと立ち止まってしまい、どんどん身体が傾いて地面に膝を着いて動けなくなってしまうくらい、自分の思いに自信が無い。信頼できない。特に好きという思いに関しては紆余曲折を経て落ち着いたり、でもまた不安になったりを繰り返している。好きを好きのまま永遠でいられるようにと、好きの終わりを恐れるあまり、ずっとと言い切れるための理由を探すのに必死になっていたのかもしれない。

少し前に、わたしはたぶん同じ星の下で生きる人たちとこんなところが好きだよねって同じ気持ちを確認するよりも、同じ空の下だけど違う星の下を選んで生きている人たちとこんなところが好きなんだ こんな世界があるんだよって話がしたいんだなぁってわかった。

でもそう思いながらもっとちゃんと理由を知りたい!納得したい!わかりたい!愛したい!のだということも感じていた。望んでいるのにそれができていないことにほんの少しだけモヤモヤしていた。

 

この世界に片足を突っ込んだその瞬間からそらるさんの声はわたしの中に存在していた。だからいつも知っている声だった。知っている人だった。ずっと大好きで大切な人だ。でもライブに行って、今までわたしはそらるさんの何を見ていたんだ と思うほど、そらるさんを好きな人が見ている景色が鮮明に見えて、そらるさんへの好きが死ぬほどわかってずっと泣いてる。みんなが愛してる星のそれぞれの道、わたしも愛したい応援したいの気持ちが一層強くなったし、それができると思えた。

 

ライブから帰ってきてから、あの時自分の目に映った情景を思い出して、いろんな思いが駆け巡っては何度も泣いている。

そらるさんは"わかっている"人だ。

そらるさんは知っている。

客席に座る一人ひとりが生きていて、それぞれ違う人生があって、いろんなものを抱えて今を迎えていること。ここにいること。

いえない日々や、情けなくて無かったことにしてしまいたい過去も、恥も。隠れて泣いた日も誰も信じられない心も、たまに訪れる全部終わりにしてしまいたい真っ暗闇の心も。傷つかないために押し込んだ叫びも。本当は貶されるべき思いも。汚れも。許されたい思いも。助けても声も。

一つとして同じものは無いその人だけの複雑なものを抱えた一人ひとりが、確かにそらるさんの声に救われて、ここまで来たこと。たくさん抱えて会いに来ていること。伝わってほしいこと。愛していること。言葉にできない思いも、その葛藤もそらるさんは全部知っているしわかっている。そう確信のように思える景色と時間の中にいた。

だからそらるさんもステージにいるのだと思った。「俺はここで歌うから」と言ってくれるのだと思う。ちゃんと見てきたよ と歌で伝えてくれる。

ステージの上でそらるさんが歌い、伸ばされたその手の先に自分がいる空間に今わたしはいるのだと自覚した瞬間、抱えてきたものが繋がった気がした。

ステージ上の階段から降りてステージ袖まで来て、客席をよく見てわたしたちに向かって歌っている顔を見たらわかった。伝わっていることが伝わってきた。そして、伝わっていることはこんなにも幸せなのだと思った。言葉にされたわけじゃない。でもわかった。そらるさんは全部、歌で伝える人だと思う。

光のもとで歌うそらるさんの姿を見ていたら、同じように今この瞬間そらるさんを見ている会場の人たちの心が自分の心に入ってくるような気がして心がいっぱいになった。嬉しくて心を抱きしめたくなった。

そらるさんのことが好きな人の気持ちが本当にすごくわかった。

今日ここに来てよかったと思った。

そらるさんに出会えてよかったと思った。

こんな人に惹かれないはずがないと思った。

 

ステージ上手と下手を行き来するためにオーケストラの前を縫うように歩いて何度か転びそうになったり、歌詞を間違えて笑ったり、MCで口が回らなくて適当な言葉でそのまま進めて和やかな笑いに包まれるそらるさんは愛されている姿で、嬉しくてたくさん笑った。

マイクを客席に向けてイヤモニを外して頷きながら、自らも口ずさみながら客席の歌を聴いているそらるさんの優しい笑顔や満足そうに言う「よくできました」は愛している姿だった。

 

ライブ中、本当に全部が嬉しくて、ずーっと幸せだった。

 

 

熱中して何かを追いかける、所謂オタクにわたしがなったきっかけは紛れもない歌い手という存在だった。それからというものは、いつも好きがそばにあった。好きのおかげで生きていた。熱中する好きが無かった頃の生活なんて思い出せも、想像すらできないほどに毎日、多くのものを好きから受け取っていた。

でも"好き"から受け取ったものに、「救われた」と思うことは少なかった。

受け取った時に湧き上がったプラスな感情を上手く言葉にできない甘えで「救われた」と表現してしまったことは幾度かあって、でもその度にこの感情は「救われた」、なのか?と疑問に思い、でも当て嵌る言葉も見つけられないままでいた。

そんな中でも唯一と言えるくらいそらるさんを見ている時はちゃんと素直に「救われた」と思うことがあった。それはそらるさんの言葉や生き方。自由でありのままの自分を愛し、愛されている姿。そんなそらるさんに救われることが何度かあった。それでもまだ自分にとっての"救い"の輪郭がぼやついたままだった。

どうしても遠い存在だから、そんなこと?って思われてしまうような小さなことにすごく救われることがある。それだけでずっと生きていける、大事に大事にしていることがあったりする。時が経ってある時それが蔑ろにされたり(本人はそんなつもりないし全く悪くない)すると、過剰に落ち込んで、自分が信じた全てが否定されたような気持ちになってしまう。本当に勝手に。そらるさんはきっとそういうのも全部わかっているのだなと思った。自分の何気なく発した何かの中にそれぞれが大事にしたいものがあることも、これが誰かの大切かもしれないということもわかっている。そらるさんは思い出したように示してくれる。ちゃんとここにあるよと言ってくれる。すごいなぁと思う。

 

わたしにとって"救い"とは、誰かを本当の意味で信じられることなのだと、そらるさんを見て気づいた。わたしはこの日、そらるさんのことを心から強く信じられたのだと思う。

ずっとこの人と生きていくぞと思った。

同じ時間を共有している。こんなにたくさんの人がそらるさんの歌を聴きに来ている。会いに来ている。すごいことだ。そらるさんと生きているということだ。

 

 

 

『夏の青空の下には「神様いそうだな」って。』

8月5日、青空の下には神様がいた。

そらるさんが、「歌うことが好き」という気持ちを今日も新鮮に持っていること。15周年を迎えたこと。

あの日少年だったそらるさんが少年の自分を捨てずに大切に愛して、連れて生き続けている。受け止めてくれる寛大さと包み込んでくれるような穏やかさを持ちながら自由でありのままを愛されている姿。

世界を優しく、美しく歌い続けてくれてありがとう。この青く澄んだ世界の中心にいるのはそらるさんだ。

 

大丈夫さワンダー いつまででも傍にいるよ

世界中が恋するような夢を見せよう

永遠に覚めない鳴り止まない

響かせていこう この歌を

そらるさんの歌が空のように高く、海のように広く続いていきますように。誰かの救いになりますように。

 

神様がいた夏の空をわたしはずっと忘れない。