こんなことを彼の誕生日の次の日に書くことはナンセンスなんだろうと思う。
そもそもこんなことを書く必要があるか、目に入るところに残すべきなのかと問われると、きっとそれはNOだと思う。
でも本当に書き残したいと思った時にそれができなくなってしまうのは嫌だから、この機に、思った時に行動しておこう、と。
無秩序で拙い文章だけれども、大事なことは伝えた方がいいとあなたから学んだので。
いつも通りメモをスクリーンショットして載せるつもりだったけど、かなり今の自分にしかわからない感覚たちが多いような気がして、やめた。
自分の中で覚えていたいこと、残していたいことを残す場所が欲しかったので、ちょうどいいかな、と。
ついでに新しいことを始めてみよう、と。
大人になるにつれて、以前はわからなかった、理解出来なかった感情や感覚が、わかるようになっていることを最近ものすごく実感する。
それは悪いことの時が大半で、でも時々いいことも。
わかりたくなかった、どこかで自分とは無縁だと感じていた感情や感覚が身に染みてわかるというのはすごく変な感じだ。
数日前まで「わけわかんない」と少し小馬鹿にするように見ていたことが、自分の身に起きるのだから。
わからない方が幸せだったことも多い。
でもそれでも、わかった方がいいのかもしれない。
それもわからないから、それと上手く付き合っていくことが大人になるということならば、誰かその方法を教えてほしい。
ここに書いていることもきっと半年前の自分が読んだらほとんど理解できないだろうな、と思う。
少し前の自分ですら理解出来ないのに、他人が読んでこの全てを理解してくれるわけがない、と思う。
でもこれは嘘のない気持ちです。
だから、「理解してほしい」わけじゃない、「知ってほしい」「読んでほしい」。
これを見てくれる人は彼を通して出会った大切な人達だから。
ただそれだけです。
わたしは、誰かひとりの手の届かないとわかっている人間を他人事じゃないくらいの気持ちで追いかけるということも、理解出来なかった。
彼を知らない十数年間、わたしは何に希望を持って生きてきたんだろう、と自分のことなのに全然わからなくて思い出せないほどに、あなたに夢中でした。
あなたを知った日から毎日がきらきらしてて、初めての気持ちばかりで、新鮮なことだらけで、そんな日常が嬉しかった。
好きになったことに誇りを持った。
降りる人を目にすることもあった。
でもその度に、なんだか可哀想だな、と他人事だった。
自分の将来に確信なんかほとんどなかったけど、きっとあなたのことは、これから何十年だって応援していると、それだけは確信していた。
憧れで、大好きでたまらなくて、あなたの持っている物も癖も全部真似したかった。
話す話題もあなたの事ばかりになって、口を開けばまふまふだねぇって笑われた。でもそれが嬉しかった。
でも、なんかそういうのっていいなって言われて、なんだか優越感。
またあなたを好きなことに誇りを持った。
もっと早く知りたかったという後悔。
歌や言葉を聴いている時の感動。
「今日も好きだ」という気持ち。
彼を傷つけようとするものへの怒り。
あなたがもしこの世界からいなくなった時のことを想像して、勝手に苦しくなって涙を流した日もあった。
そのくらい、きっと全ての感情をあなたに使っていたし、それがわたしの幸せでした。
あなたのことを好きな自分が好きで、この人のことを好きじゃない自分なんて自分じゃない。
そう思うくらいあなたの存在はわたしにとって大きなものでした。
いつからか、何がきっかけかはわからない。
この話を友人にした時、「いつの間にか骨折だよ、それ。」と言われた。
わたしはあまり深く考えずに「そうだね、」と笑った。
でも、本当にそうなのかもしれない、いや、きっとそうだ。
最初は、走るのが楽しかった。
ただ真っ直ぐ走り続けていた。
いつしかそれが当たり前に、当たり前じゃないといけないと思っていた。
本当は、自分が抱えてる違和感に気づいていた。気づいているのに、気づかないフリをして、走り続けてしまっていた。
気づかないフリができるくらいの小さな違和感だった。
止まってはいけないと勝手に思い込んで。
そしたら少しずつ、少しずつ、押さえつけられて、壊れていっていつの間にか、走るのが難しくなってしまっていた。
だから、休息が必要だった。
「好き」から起こる行動が義務化していた。
「こうしなきゃ」になっていた。
誰が決めたわけでないのに。
そうして、楽しくただ真っ直ぐ彼を応援することができなくなっていた。
そんな時、
わたしに感動をくれる素敵な他の世界があることをわたしは知った。
知らない世界があることを知った。
新しくこの人を強く応援したいと思える人もできた。
そしてその人でいっぱいの毎日がきた。
自分の中で本気で応援したいと、本気で好きだと思える人間がひとりじゃないことに少し嫌悪感を覚えながら。
いつの間にか、あなたの声を、音楽をあまり聴かなくなっていた。
それでも平気な自分がいることに驚いた。
だめな気がした。
これじゃあ穴埋めみたいじゃないか。
あれだけ信じていた自分の気持ちがこんなふうに揺らいでいることが怖くて許せなかった。
わたしが口にしていた「ずっと」がずっとにならない瞬間を見た気がしてきて、だめだと思った。
これを繰り返していくのかと思うと、どうしようもなく嫌だった。
終わりにした方がいいのか、そんなことも過った。
そんな複雑な気持ちを持ちながら、新しく応援したい人を追いかけていた。
そんな時、久しぶりにあなたの歌を聴いた。
いつもとは違う目線であなたを見ることが出来ていた気がする。
でも、それでも、わたしはその瞬間からまたあなたでいっぱいになった。
やっぱり好きだった。
あなたの作る歌が、世界が、言葉が、どうしても好きだった。
あなたのことでまた、熱くなれる自分がいた。
少し安心した。
ちゃんと、好きだ。
勝手に線引きをして、「こうじゃなきゃ」に縛られていた。
線を越えそうになっている自分を止めたくて、無理をして、自分の気持ちに嘘をつこうとしていた。
「好き」の気持ちに嘘は要らないと思った。
難しいことを考えなくても、好きや応援したいの気持ちは、それだけで十分素敵だから、それを無理矢理なくす必要も決してないと思った。
確かな好きが一個じゃなきゃいけないなんてことないと思う。
応援したい相手がひとりじゃないといけないなんてこともないと思う。
だってこの世界にはまだ知らない世界が広がっていて、たくさんの素敵な世界が転がっている。
少し離れて、気づけた。
今思えば、あの頃のわたしは少し、視野が狭くなっていたのかもしれない。
正しいことなんてわからない。
でもこうじゃなきゃいけないなんてことも決してない。
その上でわたしは、
「好きじゃなきゃ」じゃなくて、「好きだ」と思える自分でいたい。
「応援しなきゃ」じゃなくて、「応援したい」と思える自分でいたい。
たくさん考えた。
今の確かな、嘘のない気持ちを大事にしたい。
思えば、彼を通してたくさんのことを知り、たくさんの大切な人に出会った。
推し方が好きだよなんてこの上なく嬉しい言葉をもらうこともあった。
これからも自分なりに。
2019年10月18日
たくさんのものを与えてくれたあなたへ
お誕生日おめでとうございます。
「死にたい」と口癖のように嘆いていた1人の青年がなかったはずの人生の上で東京ドームに立つという夢を限りなく確かなものに近づけた。
あなたは最高にかっこいい。
やっぱり好きです。
わたしは、今日もあなたを応援したい